今北産業風・ねっとさーふぃんの記録@ほ(ん)の(り)むらさき

毎日やってるネットサーフィンの記録から一年間の自分を振り返るためのチラシの裏です

臆病者のための経済入門を読んだ

読んでみたいなー、と思ってたらいつの間にか読んでいた。




書いてあることのなかでざーっと要点とか。



専門用語をいくつか。


●per :price earning ratio 株価収益率


→【読み取り方】
株式投資の一般的なリスクプレミアムは
市場や銘柄によっても変化するが、一般に五% → per20%程度

ここを指標に、20%以下なら割安、20%以上なら割高
そして日本全体の市場がこの観点からしてどうなのかを見て。あがるか下がるか判断する。
これは過去の統計の分析で、正規分布で株価上昇のトレンドは判断できるという理論に基づく。

( →しかし実際は株はベルカーブせず、ロングテールする )



●eps : earnings per share 一株あたりの純利益
Perを計算するためのもの。現時点での未来の益。
机上の空論。
しかし株価の判断指標にはなる。
この二つは当然時価で変化する。

→【読み取り方】

株価 ÷eps=per()

一万円の株が毎年千円の収益を出すなら、perは10%
一万円の株が毎年五百円の収益を出すなら、perは20%

つまり低いほうが収益が良い。







本書の真髄を貫く要点になるのが以下の部分なんじゃないかと。


ハイパフォーマンスを自称するファンドと、インデックスファンドでは成績に対して違いはない

[一例]
失われた10年において、ハイパフォーマンスの証券プロよりも元金保証の預金者こそが運用成績は最強だった。



いわゆる高収益を叩き出す証券会社のエリートって奴らの運用成績と
彼らが馬鹿にするその他大勢のインデックス・ファンドの中期や長期における運用成績はほとんど変わらない。
しかも、大抵高収益を叩き出した証券マンは、その後必ず収益率を下げてしまうという。


これは株式市場の裁定が働く。
つまり原理的に公正な市場においては、すべての人に平等に損も得も生じうるということである、というのが、一貫してこの著書では述べられている








その上で、株というものを扱う上での心構えが大体以下のような感じ。


●人間の自然な、行動パターン〈損を嫌って恐れる〉と向き合って、気長に考えよう


・ちょっとでも損をすると慌てて売ったり、塩漬けにしたり、一発逆転を狙う
→ 損と得をきちんと平等に見れるようになろう。
→ 直感的に正しそうな話こそがもっとも疑わしい。コスト単位当たりで揃えて事実だけに着目しよう。


●インフレ率による物価上昇を考慮して利回りを判断せよ

金利から、インフレ率をきちんと-+する。
これが外貨だと、さらに為替レートで単位を揃えることが大事に。


●為替はリスクではない。何故ならデフレの通貨は上昇するから


物価と利益適正化の市場裁定機能である。よって外貨を買うことにリスクはない。
(ただしネット取引ができにないとめんどい)



面白かったのが三番目。
為替レートはリスクと考えるべきものではない、という意見。
筆者によれば ここ数年指摘されてきた円高などというものは存在しないという。
何故ならば、為替レートの上下は物価が国際的な見地で適正な値段に収まるために必須だからという。




たとえばインフレ率が五%の国に対して車を売るとすると、価格はインフレ率にしたがって上昇するから、売値も五%上昇する
もし車が円建てで百万円なら、五年後この車は円建て130万で売れる。
つまり安いとこで作って売るから儲かるの原理で、
インフレ率の低いとこでものを作って、相対的にインフレ率の高いとこでそこの物価を反映させて商品を売ればめちゃくちゃ儲かる。
しかし、現実はその国の通貨の相対地位が為替で変動するので、
結局ものの値段は変わらない。



よってインフレ、デフレと通貨の上昇下落は連動し、ある程度反比例の関係にあると言える。

インフレ〈金あまり〉→通貨下落
デフレ〈金不足〉→通貨上昇
金利が高い〈回収中〉 → 通貨下落
金利が低い 〈放出中〉→ 通貨上昇


元来企業が儲かるか儲からないかは為替レートで考えるのが一般的だが
筆者はむしろインフレ率の方を基準にして考えている。
なにより面白いところは、このインフレ率は物価という意味合いで使われることが多いのだが、もしそうだとすると、デフレ調子の経済においては最強の資産保護はつまり定期預金なのだ、という結論。

たしかにそうだな、と思わされる。
投資はおおむね金利の多い少ないで判断されるわけだが、実質金利はそこにインフレ率を加減算したものと言える。
もしデフレで通貨の価値があがるか、もしくは物価が下落基調にあるのであれば、元本保証の定期預金こそノーリスクで価値があがる最強の資産運用ということになる。

著者は失われた十年で投資運用成績がトップだったのは、結局のところ定期預金をして一切の投資をしなかった者だ、と述べている。
不動産を購入したり、株式を購入したものたちは軒並み不況の煽りをくらった。
これは一時的に大きな得をしても、長期的には何らかの形で損をするように市場が出来ているからだという。







未来のことは分からないが、人口の推移くらいは分かるぜ

人口は減る。

社会保障の金額を上げて増税するか
補償額を下げるか
運用成績をあげるっきゃない。

年金がなくなることはあり得ないので、全額払った方が良い。
臆病者の資産運用のもっとも良い方法は定期預金だが、国家破綻のリスクを避けるためには
やはり果断な行動をとらねばならない。

国家破綻は以下の順番で必ず起こる。

[国債下落]
→[円安]
→[インフレ]



これを回避するために以下の方法がある。




●卵はひとつのかごに盛るな、器にひとつにしろ。
 → 資産は三分法せよ

株式
債券
Reit(不動産投資)


●3つの金融商品が優秀だ

国債ベアファンド
→ 国際が暴落したときにもっとも利益が出る構造になってる

外貨預金
→ ETFがおすすめ

物価連動国債
→ 物価に対応した国債なので、インフレ基調のときに対策となる


ドルコスト平均法で、定期的にユーロかドルを購入し続ければ良い。
具体的にはインデックスファンドが提供するETF
 →なるべく海外口座をたくさん作ってネットで逃がせるようにする
(個人的には『海外旅行の理由ができた!!!』と思ってしまった 笑)








Etfは内容的には世界市場に投資したものを証券化している。
つまり感覚的には個別の銘柄ではなく、株式市場そのものに投資した感覚。
もちろん、内容としては新興国とかインフラとかどの国の貨幣かとか差はあるけとも。

また、外貨預金ではなく、円建て、自国通貨で変えるのも強い。
ネット証券は対応が早い東京証券のものを買え。

Gpif 年金積み立て金管理運用独立行政法人
Nexiなどのインフラファンドは強い
(130ページが分かりやすい)



















●FXでおばさんたちが考える儲けの発想

利率の高い投資、あるいは金融商品があるとして、
面白い方法としては、要するに自分名義でお金が預金してあればよいのだから

百万円を元金に、一千万円借りて、利率の高いとこに預ければ、利子でとんでもない金額が稼げる。
そして預けたお金にてをつけなければ絶対に返せるし、返済利子を預金先や投資先の利回りが上回っていれば、おいしいとこだけいただいて、とんでもない金額が稼げてしまう。

→ よく考えたら借金使ってみんな生きてるよね。奨学金にしかり、マイホームだってローンだし、携帯もローンだ。車もローンだし。

ウン千万円の借金してるのと変わんない。
なら、借金して預金して利息もらう方がまし。

まして、株式なら有限責任
賞与でもらった金がどこに移るかは分からん。
金返せなくても命まではとられないしね。




●不動産は投資対象になりうるか
→ 不動産取引と商品先物取引はクローズドなので、危険

毎年の賃料÷金利で価格になる。


株や証券のようにオープンでない。
流動性も低い。
俗に言うインサイダーマーケット。

収益性の高い物件は、まず業者が知っている。
投資ファンドや銀行。

そして投資家

インサイダーになったやつ〈知ってるやつ〉が得になる。
この種の投資は避けた方がよいという。
アウトサイダーは必ず損をする仕組みになってるから










総合してみて


かなりためになった本だった。
というか、要するにはETFと定期預金と、金融商品の中でも物価連動とか、インフラ系のファンドの商品とか、そういう安全なとこを見つけろって意味だった。


おおむね資産運用は時間を見方につけろ、と言われるように早いうちから始めた方がよいと筆者はすすめる。
特にドルコスト平均法でのETFの購入を大きく推していた。




楽天証券だったらサクッと開けるんだよねー。
マネックスだったらもう口座持ってるしな。
GMOのアドレスも実は持ってるので、GMOクリック証券でも良いかも。

2015年は僕も資産運用を考えようかな、なんて思ったりした。