ハーバード流交渉④<交渉維持管理③>パイを膨らませる方法
相手の欲求を満たすために、自分が譲歩する必要は必ずしもない。
パイは膨らませられる。
取り分を犠牲にせず、相手にも分けられる。
●自分にとって不利になることがなく、有益になる条件
→ 第三の選択肢があるはず!
基本①「低価格かつ高利益」
(一例)
ロシアのモスクワにて、アメリカ人ビジネスマンがホテルまでのタクシーを頼んだ際に料金を尋ねた。
40ルーブル = 60ドル だとした。
そこで、アメリカ人ビジネスマンは、二十ドルのウォッカを渡してみた。
アメリカ人にとっては “ 低価格 ”だが“ 高利益 ”
ロシア人にとっては“”だが“”
基本②「もし、◯◯ならば」でパイを拡大する
(一例)
経営コンサルタントが相談手数料について客と交渉する。
通常、一万五千ドルだが、客は一万を要求する。
この場合
一万ドルで手を打ち、さらに六ヶ月後に売り上げが20%伸びたら一万ドルを支払うという案にする。
◯◯◯ ◯◯◯ ◯◯◯
☆相手の「目や耳」についても注意を払う
障害となり得るもの
・上司
・同僚
・所属してる組織
・会社
・友人
・家族
・内なる良心
相手がそれらの障害を乗り越えられるよう手助けをする事も
相手が受ける批判
・自分の立場を後退させたコト
・合意内容が、不満足であるコト
これらの批判から、回避させること、あるいはその手段が必要。
①相手が譲歩せずに後退できる手段を講じる
★〈面子〉や〈体面〉は、相手の立場を変更させる上では重要な要素
②相手の面子も保ち、自分の面子も保つ方法
★第三者に入ってもらう
例
◎小屋を買いたい漁師の話
・売値を四万五千ドルとオーナーが言ってきた
・これは吹っかけである
・漁師は査定人を雇うことを提案した
・オーナーも査定人を雇った
・双方の査定人が査定人を選び、その人に決めてもらうことにした
☆しかし、オーナーが査定人を選ぶ金額を漁師に払えと言ってきたら交渉は難航する
③相手に勝たせたと思わせる
・相手の面子を守って“ 理論武装 ”を与える
(例)
賃上げとボーナスを上司に要求する際に、上司に理論武装や面子を与えてやる。
(例)
相場が十八万ドルだが、二十万ドルで売りたい人。
頭金で十八万ドルを提案。残りを年払で。
・相手の “ 面目 ” を保つようにしてやる
→ アイデアであったとしても、手柄を分ける。
☆問題なのは内容で、出処は関係ない。
④段階的アプローチ方法
交渉の過程を簡略化していく。
問題全体を見渡し、合意内容を段階化してゆく。
(例)
「目的は刑務所長に副領事の必需品と私物を渡すこと」
・必需品 → 服や洗面道具
・私物 → 酒とシャンペンとジンとベルモットとカクテル
段階を踏む
①服を渡す
②洗面道具
③酒
④シャンペン
⑤ジンとベルモット
⑥カクテル
⑦作り方をレクチャーする
⑦で、刑務所長はブチ切れた。
☆徐々に相手に条件を提示していく事で、受け入れやすくする
⑤“ 最終公約 ”は、交渉の終わりに行う!
・譲歩すれば見返りにどれだけメリットを得られるか、判断できるまで待つ!
・保留にしておいても良い事を伝える
・相手は弱味を見せることを回避したいのである