今北産業風・ねっとさーふぃんの記録@ほ(ん)の(り)むらさき

毎日やってるネットサーフィンの記録から一年間の自分を振り返るためのチラシの裏です

詭弁 15 プロパガンダ

充填された語 (loaded language)

A「私達は、罪なき善良な社会的弱者により一層の苦痛と不幸を強いるだけのB知事の残酷で無慈悲で恥知らずな政策に、知性と良識ある者なら当然そうするように反対の意を表明しました。しかしB氏は極めて嘆かわしく、そして愚かしい事に私達の訴えを退け、その幼稚な頭で考え付いたお粗末な政策を実行に移したのです。B氏のような人心を顧みず傲慢で下衆で冷酷で汚らわしくミジンコの如く脳味噌が腐り果てて知能が著しく欠如し生物かどうかすら疑わしくなるレベルの思考回路しか持ち合わせていない人物や、無思慮かつ無責任にもB氏を知事に選んだ単細胞の鞭毛以下の知能しか持たない愚昧な糞市民の軽率な蛮行によって、この町はますます住みづらくなったように思えます」B「今般の軍事作戦により、我が国はかつての海外領土を回復した。なんと素晴らしい事ではないか!」C「現状の国難を打開するには大人の成熟した判断が必要とされる」

これも論点先取の一種で、読み手(聞き手)に話題・論題への先験的な感情を惹起させようとする文章を言う。論理性ではなく「語調」に頼った主張を、loaded language(または emotionally charged words)と呼ぶ。必ずしも例Aのように感情的・攻撃的・侮蔑的な形容句で装飾された文章のみを指すものではなく、常用語を用いた文章も含む。たとえば例Bは「獲得・征服」ではなく「回復」という言葉で獲得した領土が本来自国に帰属するものだったと思わせようとしており、例Cでは「大人・成熟」という術語を用いることで根拠なく「反対者は子供っぽい意見の持ち主だ」と先験的な価値判断(ラベル・レッテル)を貼っている。このタイプの詭弁は、情報操作やプロパガンダの手法として使われる[10]。受け手の感情や価値判断を暗黙に刺激するkey wordを文中にひそませ、ちりばめることで論理によらずに受け手を操作する。論点回避の一つ。