今北産業風・ねっとさーふぃんの記録@ほ(ん)の(り)むらさき

毎日やってるネットサーフィンの記録から一年間の自分を振り返るためのチラシの裏です

詭弁 16 自然主義の誤謬(いままでそうだった、これからも)

自然主義の誤謬 (Naturalistic fallacy)

A「私達はこれまでずっとこの土地で協力し合って暮らしてきた。だからこれからもそうするべきだ」B「Aさんはホットケーキが好きだ。だからホットケーキを食べさせてあげるべきだ」

Aの発言は、記述文(「XはYである」という形式の文)の前提から規範文(「XはYすべきである」という形式の文)の結論を導いている。このような形式の推論を「自然主義の誤謬」(自然主義的誤謬)と呼ぶ。この推論はあらゆる場合に間違い(偽)というわけではないが、あらゆる場合に正しい(真)わけでもなく、この種の論法が論理的な推論法としてもし有効であるなら、あらゆる改革や変更は許容されなくなる。Aの発言は「人類は多くの戦争と殺戮を繰り返してきた。だからこれからもそうするべきだ」という主張と論理構造が等しい。「である」という観察事実から「べきである」という指針を引き出すことはできないとの主張はヒュームの法則といい、この種の誤謬はIs-ought problem(である-べきであるの混同)とも言う。また帰納法の誤謬を含めた広義の意味では「である」という観察事実から「であろう(予測)」という指針を引き出すことも出来ない(帰納法参照)。