詭弁 25 状況対人論証
状況対人論証 (circumstantial ad hominem)
A「そろそろ新しいデジタルカメラが欲しいって話をC君としたら、D社の新製品を勧められたよ」B「C君のお父さんはD社に勤めているんだから、C君がそう答えるのは当然さ。真に受けない方がいい」
Aに対するBの発言は、特定の人間が置かれている『状況』を論拠としている。「D社に勤める家族を持つ者」は「D社に都合の良い嘘を述べる者」と論理的に同値でもなければ包含関係にもないので、「C君のお父さんはD社に勤めている。故にD社のデジタルカメラは買わない方がいい商品である」は演繹にならない。 このように、「その人がそんな事を言うのは、そういう状況に置かれているからに過ぎない(故に信用に値しない)」というタイプの対人論証を指して、「状況対人論証」と呼ぶ。
「人身攻撃」および「ポジショントーク」も参照