記憶法 (3)精緻化
精緻化 記憶したい情報を連想的・意味的に関連づけ長期記憶に情報を送り込む
13.イメージ法
記憶したい情報をイメージ化する
イメージ記憶は大容量。Shepard(1967)によれば、100万枚の写真、短期では986,300枚(98%強!)、1年後でも731,400枚(73%)を記憶できた。
二重コーディング仮説:イメージについて覚えるとき、イメージ内容を自分に説明しながら覚える→イメージでコード化、言語でもコード化→だからよく覚えられて思い出しやすい。
14.連想法
記憶したい情報から連想するものと結びつける。
15.語呂合わせ
無意味な数字(年号など)を意味のある文章に変換して覚える。
(例)「1192年→いい国作ろう鎌倉幕府」「ルート3=1.7320508人並みにおごれや」
日本語は音素が比較的少ないので、語呂合わせは作りやすいとされる
うまい語呂合わせをつくるのは結構むずかしい。そのため「名作」は継承される(医学系など)。
16.キーワード法
発音の似た母語をつかって意味とイメージを結びつける
例)「死ぬほどダイ(die)好き」
・発音の結びつき→大好きの「だい」とdie
・意味の結びつき→「死ぬ」と「大好き」
・イメージの結びつき→見知った恋多き子が「死ぬほどダイ(die)好き」と言っている光景を思い浮かべる
長所:音と意味の連想法とイメージ法による幾重ねの精緻化のため効果が高い。外国語の単語を記憶するには最強のものの一つ。
短所:うまく結びつく母語をみつけるのが大変。外国語を覚える場合は発音の不正確になる危険。
17.ライム(韻)法
韻(ライム)を踏んで覚える。語呂合わせが難しい、音素の多い言語で使われる。
18.Vocabulary Cartoon
韻(ライム)が似た語とイラストと例文を合わせた自国語内キーワード法に基づいてつくられた本。
長所:キーワード法の利点を生かし、欠点を克服している。母語内なので発音の不正確さは縮小し、既製品なので自分で語を見つける手間もいらない。単語についてはこれが多分最強の覚え方。
短所:イラスト、例文を載せるため1ページに1語のレイアウトとなって収録語数が少ない。自国語内の学習者を対象とした本なので、外国語として学ぶ者は記憶の手がかりになる方の語も知らないことも。
19.マイ・ポエム法(自己関与文)
自分に関係した記憶は定着しやすい。
20.物語法
記憶したいものをストーリー仕立てにする。
神話、伝承などに見られる、人類にとって最も古い記憶法の一つ。
21.頭文字法
例)五大湖→HOMES(Huron, Ontario, Michigan, Erie, Superiorの頭文字)
例)独学のプロセス→MASTER=Mindset, Acquire material, Sense-making, Trigger of Memory, Exhibit, Review
22.歌唱法
物語法と並ぶ、最も古い記憶法
例)ポリネシアの歌う海図(夜間に航海するため、星座の位置と島の位置が歌に織り込まれている)
例)古代ギリシアのスパルタでは法律は書かれたものでなく、歌うものだった
23.Jazz Chants
ジャズに合わせて、同じような文句を繰り返しリズムにのって口ずさむうちに、英語の調子と英文が身に付くというもの。