勘定項目の説明
■◇B/S勘定項目
(資産の部)
I .流動資産
現金
預金
受取手形
売掛金
有価証券
商品
短期貸付金
前払金
前払費用
繰延税金資産
貸倒引当金
*流動資産合計*
II .固定資産
◇有形固定資産
(1)土地
(2)建物
(3)機械装置
(4)車両
(5)工具器具備品
◇無形固定資産
(1)ソフトウェア
(2)電話加入権
(3)特許権
◇投資その他の資産
(1)投資有価証券
(2)関係会社株式
(3)長期貸付金
(4)長期前払費用
(5)繰延税金資産
*固定資産合計*
■■■:[ * 資産 合計 * ]:■■■
(負債の部)
I .流動負債
(1)支払手形
(2)買掛金
(3)短期借入金
(4)未払金
(5)未払費用
(6)未払法人税等
(7)預り金
(8)前受金
(9)賞与引当金
■■■:[ * 負債 合計 * ]:■■■
(純資産の部)
I .株主資本
◇資本金
◇資本剰余金
(1)資本準備金
◇利益剰余金
(1)利益準備金
(2)その他利益剰余金
繰越利益剰余金
*利益剰余金合計*
◇自己株式
■■■:[ * 株主資本 合計 * ]:■■■
II .評価・換算差額等
(1)その他有価証券評価差額金
*評価・換算差額等合計*
■■■:[ * 純資産 合計 * ]:■■■
【負債・純資産合計】*
■01.概要
■(a)決算書の種類
●P/L:損益計算書
⇒ 一年間の会社の儲けを表す
●B/S:貸借対照表(バランスシート)
⇒ 会社の財産や借金などの状況を表す
●C/F:キャッシュフロー計算書
⇒ 一年間のお金の流れや使い道
●株主資本等変動計算書
⇒ 純資産の推移・変動の理由が記されている
●附属明細票
⇒ 有価証券・有形固定資産・引当金の内訳
●その他
⇒ 注記に記載されている『保証債務』『係争中の訴訟』などなど
■(b)帳票の計上方法
■02.損益計算書
■(a)P/Lの基本
■(b)売上高
【計上のタイミング】
●発生主義
⇒ 支払い義務や受け取り権利の発生段階で計上すること。会計の世界。
●実現主義
⇒ 売り上げを計上するタイミングを、納品のときとすること。発生主義の一種。
●現金主義
⇒ 売り上げを計上するタイミングを、実際に振り込まれたときとすること。発生主義の一種。
■(c)売上原価
【費用収益対応の原則】
・収益に対応するもののみを【費用】として計上する
【売上原価の計算方法】
(1)期首商品棚卸高
⇒ 前期の在庫
(2)当期商品仕入高
⇒ 今期の仕入れ
(3)期末商品棚卸高
⇒ 今期の在庫
(1)+(2)-(3)=売上原価
☆製造業の場合は、製造原価明細書が作成される
・仕掛品と呼ばれる製造途中の製品にかかった原価が除かれている
■(d)売上総利益
【売り上げ総利益】≒粗利
■(e)販管費
■(f)営業利益
●売り上げ総利益から販管費(間接費)を取り除いたもの
■(g)営業外収益
●本業以外で得た収益のこと
⇒ 副業や臨時収入みたいなもん
・受取利息
・受取配当金
・有価証券売却益
・為替差益
■(h)営業外費用
●本業以外で発生した費用のこと
・支払利息
・有価証券売却損
・為替差損
■(i)経常利益
●利益総額(営業利益+営業外収益)から費用(営業外費用)を差し引いたもの
結局のところ、どれくらい儲かったのかを表す数字
借入金などが大きい企業は、この数字が少なくなる
製造業なども同様
■(j)特別利益・損失
●経常発生する利益ではなく、固定資産売却などの特定の状況で得た収益や利益
⇒ 固定資産や有価証券などの売却該当
●経常発生する費用ではなく、賠償金などの特定の状況で支払う費用や損失
⇒ 不良債権の整理で計上した損失が該当、あるいは賠償金、災害損失など
経常利益から加算したり差し引いたりする。
■(k)税引前当期純利益
●最終的に手元に残った利益
◇法人税調整額
税務上の所得と会計上の利益の差を調整するもの
P/L上は費用と計上されていても、税法上認められない場合がある
⇒ その逆もある。費用として計上していないが、税法上は経費としてよい場合
■(n)当期純利益
●最終的に手元に残った額
ここから
・給与
・賞与
・内部留保
・配当金
などが充当されていく。
●社外流出以外の社内留保分の処分一例
・利益準備金
・任意積み立て金
・次期繰り越し利益
☆儲けの良循環
[利益]
↓
[内部留保]
↓
[自己資本 大]
↓
[借入金 返済]
↓
[支払い利息 減少]
↓
[収益力UP]
↓
[有利な資金調達]
■03.貸借対照表
■(a)B/Sの仕組み
☆会社の収益構造や、資金の使途などが分かる
◇資産の項
⇒ 運用方法を意味する
「会社が何にカネをつぎこんだのか」「それはどういった形で現在運用されているのか」
これらが費目別に示されている。
◇負債の項
⇒ 資金調達を意味する
資産 = 負債 + 純資産
☆流動資産と流動負債で会社の安定性が判別できる
⇒ 流動性のあるもの額の数が多ければ、それだけ支払い能力があり、流動性に耐えられる企業であるということ!
■(b)流動資産
●一年以内(短期)に現金化できる資産が記載されている
◇棚卸資産
・商品
・製品
・材料
・仕掛品
◇その他の資産
・短期貸付金
・前払金
⇒ 来期に費用計上する
・前払費用
⇒ 来期に費用計上する
・繰延税金資産
⇒ 来期の税金を減額できる
・貸倒引当金(※資産から-する項目)
⇒ 取引先からの回収が困難と予想される金額は資産から差し引く
■(c)固定資産
●短期間で現金化する目的で所有しているわけではない資産
( ⇒ 運営維持上の関係で、長期間使用するもの)
◇有形固定資産
・土地
・自社ビルや倉庫
・梱包機械
・車両
・コピー機などの工具や器具、備品
◇投資その他の資産
・投資有価証券
・関係会社株式
・長期貸付金
・長期前払費用
・繰延税金資産
☆ポイント
・固定資産は購入時に価値が大きく下がるため、買ったときの値段ではなく、現在の価値(=時価)で計上する
⇒ 減損会計と言う。これらはすべて評価損として計上する。
■(d)流動負債
●一年以内に返済する必要がある負債
支払手形
買掛金
短期借入金
未払金
未払費用
未払法人税等
預り金
前受金
賞与引当金
長期借入金
退職給付引当金
■(f)純資産
●資本と純資産の違い
・資本内部に、「株主のものではない」=『返済しなければならない勘定項目』が紛れ込んでいるケースがあった
→ 資産から負債を差し引いた残りを「純資産」で計上するようになった。
●「純資産」
・「株主のもの」 → 「株主資本」
・新株予約権
・小数株主持分
■(g)純資産(株主資本)
●「資本金」
●「資本剰余金」
・資本準備金
→ 株主から集めたお金のうち資本金としなかった金額。
株主から集めたお金は1/2以上を資本金とすれば、残りは資本準備金としてよいことになっている。
●「利益剰余金」
・利益準備金
→ 配当とは別に積み立てるよう法律で定められた金額
・その他利益剰余金
→ 任意で積立することにした金額又は繰越利益剰余金
・任意積立金
→ 利益剰余金のなかから、将来使用するために任意で積み立てたもの。実際には、「配当平均積立金」「別途積立金」など具体的な名称にて記される
・繰越利益剰余金
→ 過去に獲得した利益で配当金にも利益準備金にも任意積立金にもしなかった残金と、当期に獲得した利益(P/Lの当期純利益)の合計
●「自己株式」
会社自体が保有する株式。以前は認められていなかった。
会社が自社株を自己保有すればするほど、発行した株式の数が減るため、一株あたりの純利益が上昇する。
■(f)評価・換算差額
●保有している株式(=有価証券)の評価額が上下することによって生じる差益もしくは差損の額面
■(g)新株予約権
●ストックオプション
・役員や従業員が自社株を優先的に購入できる制度
⇒ あらかじめ決められた値段でその会社の株式を購入でき、値段より株価が上昇ところを見計らって売却すれば利益が出る
■(f)連結決算特有の勘定科目
☆連結と個別の決算では異なる勘定科目が使われていることがある
(一例)
●持分法による投資利益
・ある会社の株式を原則として20%以上50%以下の割合で保有している場合
その会社が獲得した利益のうち株式保有割合に応じた額を利益として経常する
⇒ 損失の場合は営業外費用に『持分法による投資損失』として計上
●小数株主利益
・子会社が獲得した利益のうち、親会社以外の株主に帰属する分は親会社のものではにため、これを差し引いて当期純利益を計算する。
●のれん
・子会社等を取得したときに要した金額と、子会社の純資産額の差額を表す。
⇒ 取得金額の方が大きければ『無形固定資産』
⇒ 子会社の純資産の方が大きければ『固定負債』
●為替換算調整勘定
・海外に子会社等がある場合、その子会社の決算は外貨で表示されているので円換算にする
そのとき、資産や負債の換算と、純資産の換算は異なっているため、これにより調整額が生じる。
●小数株主持分